ICT 総研は、3キャリアの iPhone 5s を使用し、新幹線全97駅の駅ホーム/改札付近/駅前広場それぞれの下り通信速度、上り通信速度を調査した。
 

全291か所を測定した結果、全ての地点で LTE を受信できたのは KDDI(au) だった。
 
上が LTE エリア比率、下が通信速度
上が LTE エリア比率、下が通信速度

KDDI(au)の LTE 受信地点数は、昨年に実施した同様の調査に比べて2.8倍に拡大。下り通信速度も全国で 23.68Mbps と他社を上回った。路線別でも長野新幹線以外の全てで下り通信速度トップを記録。特に山形新幹線/秋田新幹線/上越新幹線では、他社との差が開いた。800MHz 帯に iPhone 5s が対応したことの効果が表れているという。
 
ソフトバンクモバイル(SBM)は LTE エリア比率92.4%、下り通信速度が 19.05Mbps。都市部の駅では LTE エリア比率がほぼ100%だが、地方の駅では90%と比率の低さが目立った。一方、上り通信速度については 9.75Mbps で3社中最速。通信速度を倍速化させる「倍速ダブル LTE」の影響が見られるという。
 
NTT ドコモは 、LTEエリア比率99.0%で、同社が進める「全国 Xi 基地局倍増」計画が順調に進んでいることを示した。一方、通信速度については、下り 17.88Mbps、上り 4.69Mbps と他社に比べて低かった。一方、同社は下り最大 112.5Mbps/最大 150Mbpsn に対応するエリアを順次拡大しており、地方の一部で「爆速地点」が増加した傾向が見られた。
 
新幹線全97駅の通信速度測定結果
新幹線全97駅の通信速度測定結果
 
今回の調査では、昨年に実施した同様の調査に比べて LTE エリア比率が3社平均で58%から97%に増加した。また、東海道新幹線とその他地方の新幹線路線で見られた大きな地域格差も、今回の調査では確実に縮小した。各社とも今後さらなる LTE エリア拡大/増強を目標に据えており、ユーザーにとって快適にモバイルデータ通信が利用できる環境がますます期待される。

(この記事は、弊社姉妹サイトインターネットコムに2013年11月13日に掲載された記事を再掲したものです)