眠たそうな目がキュート?
FCAが新型FIAT「500」を発表した。3代目となるチンクェチェントは完全電気自動車として、2021年前半に登場する。
電気自動車としての新型FIAT「500」設計にあたっては、エンジニアは“航続距離の延長”と“充電時間の短縮”に重点をおいたという。この結果、新型FIAT「500」はフル充電すれば最長で320kmの走行が可能となった。バッテリーは急速充電に対応しており、35分で80%まで充電できる。わずか5分の充電でも約50km走行できるという。
ドライビングモードでは、「ノーマル」「レンジ」「シェルパ」の3つを用意。このうち「レンジ」を選択すると回生ブレーキの効きが最大化され、日産ノートe-Powerのワンペダルのような走行が可能となる。
「シェルパ」はバッテリー消費を最大限に抑えるモード。最高速度は80km/hに制限され、アクセルレスポンスなども抑制。航続距離を最大限に伸ばすという、バッテリーの残量が心許ないときに便利なモードだ。
搭載されたパワーユニットは最高出力118PSを発揮するモーターで0-100km/h加速は9秒。あまりぱっとしない数値ではあるが、0-50km/h加速は3.1秒とモーターならではの立ち上がりの良さを見せており、高速道路の合流などで困ることはなさそうだ。なお、最高速度は150km/hに設定された。
その後の伸びが今一つ?
エクステリアはひと目でチンクと分かるデザインが維持された。だが一方で全長、全幅ともに60mm拡大され、全長3,630mm、全幅1,690mmとされ、存在感を増している。全高は40mm高くなり1,530mmとされた。
インテリアは大きく変更された。物理的なスイッチが減らされて、すっきりとしたデザインとされている。また、シフトレバーが無くなり、視覚的にも広さが感じられるようになった。
車内は電動化によって生まれたスペースと、と20mm延長されたホイールベースの恩恵を受けて拡大された。バッテリーがフロア下に収納された結果、荷室はフラットで、ガソリンモデル同様の容量を確保している。
大型タッチパネル装備
ボディタイプはスライディング式のファブリックルーフを持つコンバーチブル。通常ルーフ版も今後発売される予定。
FCAでは欧州で、新型FIAT「500」のローンチバージョン「ラ・プリマ」の予約受付を開始している。カラーバリエーションはイメージカラーの「ミネラルグレー」の他、海の色を表現した「オーシャン グリーン」、空の青に敬意を表した「セレスティアル ブルー」の3色展開。価格は3万7,900ユーロ(約451万円)からとされている。