ヤマハ「NIKEN(ナイケン)」ベースのカスタムバイクが「Craziest Bike(もっともイカレたバイク)」に

ヤマハ「NIKEN(ナイケン)」をベースにビルドされたカスタムバイクが、ドイツ バート・ザルツウフレンで12月6日から開催されたカスタムバイクショーで、「Craziest Bike(もっともイカレたバイク)」に選ばれました。

ヤマハ「NIKEN(ナイケン)」ベースのカスタムバイクが「Craziest Bike(もっともイカレたバイク)」に
ヤマハ「NIKEN」のカスタムバイクが「Craziest Bike」に

カスタムを手掛けたのはポーランド ジェシュフに本拠を置くカスタムバイクショップGame Over Cycles(GOC)。同ショップはヤマハモーターポーランドの協力を得てこのカスタムを実現しました。GOCは米国製バイクのカスタムで知られる会社ですが、同ショップのトップであるStanislaw Myszkowski氏は今回日本メーカーのバイクを扱った理由を次のように説明しています。


「NIKENは多くの人にとっては革命的だったが、このバイクに否定的な人も存在していた。このリアクションは、人々が我々のビルドしたカスタムバイクを見たときとまったく同じ。それで私は、このバイクに強い関心を抱いた」

ヤマハ「NIKEN(ナイケン)」ベースのカスタムバイクが「Craziest Bike(もっともイカレたバイク)」に
映画『ターミネーター』に出てきそうな外観ですね

Stanislaw Myszkowski氏は、GOCではNIKENのメカニカルな部分には手を入れてないと語っています。

「技術的には、このマシンには何も手を加える必要はなかった。《中略》だが初めてこのバイクを見たとき、私はGOCでならその外観を変えて、異なるキャラクターをこのマシンに与えられると感じた」

これを実現するため、GOCではプラスチックパーツをアルミパーツに置き換えることに。これにより空力性能を損ねることなく、よりシャープで、さらにアグレッシブな外観に作り替えることに成功しました。

ヤマハ「NIKEN(ナイケン)」ベースのカスタムバイクが「Craziest Bike(もっともイカレたバイク)」に
額には「二剣」の文字が!

もちろん、NIKEN向けのアルミパーツなどは市販されていません。このため、ブレーキ&クラッチレバー、ミラー、スピードメーターカバー、フロントフェンダー、リアフェンダー、エンジンカバー、ホイール、リアスイングアームなどのあらゆるパーツを、スタッフが手作りしました。その工数は1,400人時にも達したのだとか。

ヤマハ「NIKEN(ナイケン)」ベースのカスタムバイクが「Craziest Bike(もっともイカレたバイク)」に
あらゆるパーツをスタッフが手作り

興味深いのはヘッドライト。車体を左右どちらかに傾けると、NIKENのLMW機構とヘッドライトが連動して動く仕組みとされています。これは、「何度も見たくなる、腕時計の精巧な内部機構」のような動きなのだとか。もう一つ興味深いのはフロント部分。ここにはヤマハ発動機の行動指針「失敗を恐れず、もう一段高い目標に取り組む」が刻まれています。

ヤマハ「NIKEN(ナイケン)」ベースのカスタムバイクが「Craziest Bike(もっともイカレたバイク)」に
日本人もあまり知らないヤマハの行動指針を、ドイツの人が…。

ヤマハポーランドのMagdalena Piskorz氏は今回の受賞につき次のように述べています。

「GOCとの共同作業を始めたときから、Stanislaw Myszkowski氏の才能には驚かされた。カスタマイズでの型破りな手法や、長年この世界で当然とされていたものとは異なるやり方に感銘を受けた。Stanislaw Myszkowski氏が最新プロジェクトに、革新的でユニークなヤマハのNIKENを選んだことをとてもうれしく思う。彼のような熟練の技術者と働くことは、とても楽しい経験だった」

ヤマハ「NIKEN(ナイケン)」ベースのカスタムバイクが「Craziest Bike(もっともイカレたバイク)」に選ばれる
GOCのTomasz Rzeszut氏と、Stanislaw Myszkowski氏

価格は8万ドル(約878万円)。かなりの金額ではありますが、かかった工数を考えればむしろ安いかも?購入希望者はGOCの公式Webサイトで連絡先を確認し、Eメールまたは電話で連絡を取ってみてください。

(本稿内の画像は、GOCの広報担当マネージャであるChris Bienkiewicz氏に提供して頂きました)