太陽電池だけ、充電いらずの小型EV「Squad」

「Squad」は太陽電池で走る小型のEV。オランダアムステルダムに本拠を置くSquad Mobilityが開発しました。

太陽電池だけ、充電いらずの小型EV「Squad」
太陽電池で走る小型EV「Squad」

屋根上に取り付けたソーラーパネルで発電し、その電力で走るクルマ。ソーラーパネルはそれほど大きなものではなく発電量も大したことはないのですが、外観からわかる通り「Squad」は軽量な乗り物。一般的なクルマに比べてはるかに少ない電力で走行できるので、この面積でも実用上それほど支障はないのだとか。


太陽電池だけ、充電いらずの小型EV「Squad」
軽いは正義

太陽電池だけで走行できる距離は、雨の日がそれほど多くない地域で年間9,000キロ程度なのだそう。Squad Mobilityによれば欧州では年間に6,000キロ程度しか走らない人が多く、これで十分なのだそうです。

年間の走行距離数で説明されてもいまひとつぴんとこないのですが、1日の走行距離に換算すれば30キロ程度(注:平日のみで計算)。通勤で使うならありでしょう。

まったくの余談ですが、筆者は以前愛車を中古車屋さんに売るときに「どうして年間に3万キロも走ったの。値段が下がるよ。走行距離は年間1万キロ以下に抑えた方がいいよ」と言われたことがあります。あのときの中古屋さんの言葉からも、年間9,000キロ程度というのはそれなりに根拠のある数字のように思えます。

話を「Squad」に戻すと、最高速度は時速45キロに設定されており、後に時速80キロまで出せるモデルも追加される予定となっています。乗車定員は基本的には2名ですが、欧州内には大人2人に加えて身長125センチまでの子ども2人を乗せても法律的にOKな国・地域もあるそうです。

太陽電池だけ、充電いらずの小型EV「Squad」
狭いけど、むしろ子どもは喜ぶ?

Squad Mobilityが「Squad」の最大のメリットとしてアピールしているのは駐車場。欧州の都市部では駐車場不足が深刻なところもあるそうで、お昼休みにランチを取りに出かけたものの、駐車場が見つからずに何も食べられなかった、なんて悲劇もあるそう。また、ディナーを予約して出かけたけれど、駐車場が見つからなくて予約の時間までにレストランに辿り着けなかった、なんてこともあるそうです。

「Squad」であれば、大きめのSUV1台分の駐車スペースに4台駐車することができます。「Squad」の利用台数が増えれば、駐車場を増やすことなく、都市部の駐車場不足問題を解決できるとSquad Mobilityは主張しています。

太陽電池だけ、充電いらずの小型EV「Squad」
SUV1台のスペースに、「Squad」なら4台駐車可能

「Squad」には欧州では税制上のメリットもあります。保険も安く、話を聞いていると「それって、日本の軽自動車に近い存在では?」と思えてきます。いや、軽自動車以上かも?「Squad」は欧州の多くの国・地域で自動車免許不要で乗れるそうです。

太陽電池だけ、充電いらずの小型EV「Squad」

Squad Mobilityは現在、「Squad」の予約を受け付けています。価格は5,750ユーロ(約69万3,000円)に設定されています。

太陽電池だけ、充電いらずの小型EV「Squad」

日本では軽自動車を廃止しようという動きもあるようですが、「Squad」のような乗り物を見ていると、軽自動車は正しいのでは?と思えます。むしろ軽自動車をEV化し、仕様やサイズを変更して欧州に売り込んだ方が良いのかもしれません。