屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」

「DryCycle」は自動車の代わりになる乗り物として開発された電動アシスト自転車。4輪で安定しており、屋根付きで雨天でも利用でき、高い安全性を備えています。

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
4輪、屋根付きの電動アシスト自転車「DryCycle」

自転車は最も渋滞に影響されにくく、しかもエネルギー効率が高い乗り物。渋滞や大気汚染といった問題に取り組む欧州の都市では、自転車はこれらを解決する切り札と考えられています。


でも、自転車には雨に弱いという弱点があります。濡れること自体は気にしないという人であっても、通勤で利用するとなると、オフィスに到着してから服を着替えるというひと手間が必要に。また、自転車はクルマと違い、乗員を守ってくれる装備が何もないので、事故に巻き込まれると大きなダメージを受けてしまうこともあります。

「DryCycle」では屋根を装備。雨の日でも濡れずに通勤可能としました。シマノSTEPS E8000システムが走行をモーターでアシストしてくれるのでそれほど汗をかくこともなく目的地に到着でき、着替えることなく仕事を始められます。

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
屋根とモーターが、着替え不要にしてくれます

4輪でそれなりのサイズがあり、荷物も積んで運べます。また、4輪のため信号待ちでもバランスを取る必要がなく、乗員はクルマと同じように座っていられます。

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
信号待ちの間ものんびりと

これらに加えて、「DryCycle」の開発元であるDryCycleがもっともこだわったのが高い安全性の提供。夜間の被視認性を高めるために20個を超えるライトを使用した「クリスマスツリーのように明るい」ライティングシステムを装備しました。

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
20個を超えるライトを装備

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
「クリスマスツリーのように明るい」ライティングシステムで、高い被視認性を確保

この明るいライティングシステムにより、「クルマのドライバーから自転車が見えなかった」ために発生する事故のリスクを低減しています。

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
これなら、クルマのドライバーからもよく見えるはず

フレームにもこだわっています。その素材は一般的なアルミの3倍の剛性を持つ航空機グレードのアルミ合金。このアルミ合金を使って、乗員を覆う形状のフレームが設計されました。前後にはわずかながらクラッシャブルゾーンも設けられ、乗員を保護しています。また、シートの後ろには、乗員の頭部を保護するロールバーも装備されました。

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
頭部を保護するロールバー付き

シートベルトには4点式を採用。「DryCycle」はコストを抑えるためにエアバッグが装備できなかったのですが、代わりに4点式のシートベルトが事故発生時にドライバーが前方に飛ばされるのを防ぐ仕組みとされています。

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
4点式のシートベルト装備

操作系では一般的なクルマのステアリングホイールではなく、ドライバーのサイドに取り付けるスティックを採用。これにより、ドライバーがステアリングホイールに顔や胸を打ち付けるリスクを低減しました。

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
スティックも乗員の安全を考えた装備

DryCycleではこれらの効果を検証するために、衝突テストを実施。時速25キロで走行する「DryCycle」が正面衝突した場合と、時速32キロで走行するクルマが「DryCycle」の側面に突っ込んで来た場合を検証し、どちらのケースでも乗員の頭部が十分に保護できることを証明しています。

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
低速ながら衝突テストも実施
「DryCycle」が正面衝突した場合でも

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「DryCycle」の側面に時速32キロでクルマが突っ込んで来た場合でも

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
乗員の頭部は保護されました

価格は1万4,995英ポンド(約210万円)+送料。現時点では日本での販売は考えていないということですが、引き合いがあれば前向きに検討するとのことでした。

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」

ただし、「DryCycle」のサイズは幅が920ミリで長さが2,150ミリで車輪数は4個と、日本で普通自転車として認められる基準を満たしていません。日本でどのようなカテゴリーの乗り物として販売するかは、販売代理店と相談ということになるようです。

屋根付きで自動車の代わりに使える4輪電動アシスト「DryCycle」
英国では自転車扱いだそうです

(本稿内の画像はDryCycleのAndyさんより許諾を得て、同社公式Webサイトから転載させて頂きました)