「Urban Bicycle」は、自転車通勤者向けにデザインされた折り畳み。カナダ在住のインダストリアルデザイナーZheng Zherenさんによるコンセプトデザイン。

折り畳み自転車「Urban Bicycle」-スイスナイフにインスパイアされたデザイン
都市生活者のための折り畳み自転車「Urban Bicycle」

Zheng Zherenさんは、従来の折り畳み自転車には、「1. 折り畳んでも、混雑した場所で持ち運ぶには場所を取り過ぎる」、「2. オイルなどにより、本人だけでなく自転車の周囲に立った人の衣服を汚すリスクがある」、という2つの大きな欠点があると主張する。


「Urban Bicycle」は、この2つの欠点の解消を目指すコンセプトデザイン。普段はハンドル、サドル、前輪、後輪は走行に適したポジションにあるが、折り畳むとそれらの多くがフレーム内に収まってしまうのが特徴だ。Zheng Zherenさんはこの形状を、スイスナイフにインスパイアされたものだと述べている。

折り畳み自転車「Urban Bicycle」-スイスナイフにインスパイアされたデザイン
折り畳むとサドル、前輪、後輪などがフレーム内に収まる「スイスナイフ」デザイン

持ち運ぶときにはハンドル内に刃が収まるスイスナイフ
参考画像:持ち運ぶときにはハンドル内に刃が収まるスイスナイフ

スイスナイフでは、ナイフの刃先などは内部に収納されるので、ポケットに入れていてもポケットの生地が傷むことはない。同じように、「Urban Bicycle」では、チェーンやタイヤなどの多くがフレーム内に収納されるので、周囲の壁や人の衣服などを汚すリスクが低いという。チェーンにはベルトドライブが採用され、リスクをさらに低減している。

折り畳み自転車「Urban Bicycle」-スイスナイフにインスパイアされたデザイン
ドライブトレインには、ベルトドライブを採用
オイルで周囲の人の服を汚さない配慮

前輪は10インチだが、後輪は12インチというアンバランスな設計。これは前輪はフレーム内に収まりやすいようになるべく小径に、リアホイールは走行速度に影響を与えないように少しだけ大径にという配慮によるものだ。折り畳み時にはこの12インチリアホイールを転がして、キャリーケースのように自転車を運ぶことになる。

折り畳み自転車「Urban Bicycle」-スイスナイフにインスパイアされたデザイン
前輪は10インチだが、後輪は12インチという設計

折り畳み自転車「Urban Bicycle」-スイスナイフにインスパイアされたデザイン
折り畳み時には12インチタイヤを転がしてキャリーケースのように運べる

ハンドルの角度、サドルの高さなどは、利用者の体格に合わせて調整が可能だ。また、ループハンドルは、自転車用ロックとして機能する。

折り畳み自転車「Urban Bicycle」-スイスナイフにインスパイアされたデザイン
ハンドルの角度や

折り畳み自転車「Urban Bicycle」-スイスナイフにインスパイアされたデザイン
サドルの高さは調整可能

折り畳み自転車「Urban Bicycle」-スイスナイフにインスパイアされたデザイン
ループハンドルは自転車ロックとして利用できる

「Urban Bicycle」では、現時点では商品化の予定はまだないとのこと。だが、自転車メーカーから要求があれば喜んで協力したいと、Zheng Zherenさんは語ってくれた。

折り畳み自転車「Urban Bicycle」-スイスナイフにインスパイアされたデザイン

Zheng Zherenさんがデザインした「Urban Bicycle」および他の作品は、Zheng ZherenさんのWebサイトで公開されている。

(本稿内の画像は、Zheng Zherenさんより提供していただいて掲載しています)