サセックス大学の学生Jake Thompsonさんが、クラウドソーシングを活用する自転車用ライト「Flare」を開発した。利用者が自転車にとって危険なスポットを入力することで、サイクリスト向けのマップを作成するシステム。

自転車にとって危険なスポットをクラウドソーシングで収集する「Flare」
(C) University of Sussex

Bluetoothでスマートフォンと連携し、スマートフォンのGPSなどを活用するデバイス。「Flare」には3つのボタンが取り付けられているが、そのボタンが押された場所をスマートフォンアプリが専用Webサイト上にマークアップする仕組みだ。この専用Webサイトを、例えば地方自治体がチェックすることで、道路のどの箇所を補修すべきか、どこに信号を設置すればサイクリストにとってより安全な環境を作れるか、などを判断できるようになる。


自転車にとって危険なスポットをクラウドソーシングで収集する「Flare」
専用Webサイト上に、危険な箇所がマークアップされていく

3つのボタンはそれぞれレポートする内容が異なる。ボタン1(下の画像では、赤色をしたw型のボタン)は道路の路面が荒れていたり、ガラスの破片などが散らばっている場合に押す。ボタン2(真ん中のi型をしたボタン)は自転車とクルマが接近しすぎる場所で、ボタン3(一番下の凸型のボタン)は危険な交差点などで押す、という設定になっている。

自転車にとって危険なスポットをクラウドソーシングで収集する「Flare」
「Flare」に装備された3つのボタン

自転車にとって危険なスポットをクラウドソーシングで収集する「Flare」
クルマと自転車が接近しすぎる道路では

自転車にとって危険なスポットをクラウドソーシングで収集する「Flare」
ボタン2(真ん中のi型をしたボタン)を押す

走行終了後、サイクリストはスマートフォンアプリを使って、ボタンを押した場所を確認できる。スマートフォンアプリではまた、マークアップされた場所にコメントを付与したり、写真を追加したりも。これにより他のサイクリストや地方自治体に対し、その場所にどのような危険があるのか、どのような対策を施すべきなのかをより具体的に伝えることができる。

自転車にとって危険なスポットをクラウドソーシングで収集する「Flare」
写真を追加した例

Thompsonさんは「Flare」を開発した理由について、次のように述べている。

「コペンハーゲンなどと比較してみれば、英国がサイクリングインフラに関してかなり遅れていることがわかる。デンマークには、サイクリストにとって走りにくい場所がマークアップされたWebサイトがあり、これが「Flare」開発のヒントになった」

Thompsonさんは「Flare」の実用化に向け、投資家に対し出資を呼びかけている。

自転車にとって危険なスポットをクラウドソーシングで収集する「Flare」