米国ロサンゼルスのOMATAは、自転車用アナログスピードメーター「OMATA One(オマタ ワン)」を開発した。最新の技術と、アナログデザインを融合させた自転車用アクセサリー。


自転車用スピードメーターは、スポークにマグネット、フォークにセンサーを取り付け、その回転数をカウントすることで速度を算出している。だが「OMATA One」では、速度の算出に内蔵GPSを使用。これにより、センサーの取り付けやタイヤ周長サイズの指定などが不要となった。



走行速度の他、高度、現在時刻、走行時間、移動距離を表示できる。また、これらのデータはすべて内部に保存されており、PCなどに接続して表示可能だ。



もっとも、これらの機能は市販されているGPS内蔵サイクルコンピューターですでに実現されているものばかり。「OMATA One」の特徴は、クールなデザインやアナログによる直感的な表示、そしてちょっとしたギミックにあると言えるだろう。

「OMATA One」では特注の数字フォントを採用。視認性を高めつつ、クールなデザインを実現した。


スピードメーターのゼロ点は9時の位置。走行速度が上がるにつれて針が指す位置も上がり、時速30キロで12時の位置となるよう設定されている。OMATAによれば、これは移動中の人間が外の世界をそれほど疲れず、無理なく認識できる限界速度なのだとか。スピードメーターの針が12時周辺にあることを視野の片隅に入れながら走行することで、安全な走行ができるというわけだ。こういったことができるのは、アナログデザインならではと言えるだろう。


ギミックも楽しい。メーターのスイッチを入れると、右下の時計の針がぐるぐると回転を始め、“GPS衛星サーチモード”に入ったことを利用者に伝える。サーチ終了後には、左下の高度計が、利用可能な衛星の個数を表示。その後両方の針が12時の位置に戻れば、速度の計測が可能となる。スマートフォン画面などでお馴染みの衛星サーチだが、アナログで見ると、すこしわくわくするから不思議だ。


カラーバリエーションは「ホワイト」と「グレー」の2色展開。キロメートル表示とマイル表示のどちらかを選択できる。シンプルなバイクマウント付き。



OMATAは現在、「OMATA One」の市販化に向けてクラウドファンディングサイトkickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施している。499ドルの出資で「OMATA One」を1つ入手可能だ。キャンペーン終了後の市販価格は599ドルとなる。日本への送料が別途必要となる。出荷は2017年2月に予定されている。


価格は少し高めと言わざるを得ない。同程度の機能を持つデジタル表示のサイコンであれば、実売価格1万5,000円程度で入手可能だからだ。また、スマートフォンにアプリをインストールすれば、同様の機能を無料で利用できてしまう。

「OMATA One」のデザインに対し、約3万5,000円~4万5,000円を支払えるか?そのような価値観を持っているかどうかが、この製品を購入するかしないかの決め手になるだろう。筆者はデザインはとても気に行ったが、残念ながら、先立つものがない。スマートフォンアプリで我慢しようと思っている。