国際宇宙ステーション(ISS)に約半年滞在した JAXA 宇宙飛行士 若田光一さんは、地球への帰還前にロボット宇宙飛行士「KIROBO(キロボ)」くんと最後の対話実験を行った。実験の模様が、YouTube の KiboRobotProject チャンネルで公開されている。


若田光一さんとキロボくんは2013年12月6日、ISS 内で音声認識を利用した自律会話実験に成功。その後は対話実験に加え、ISS 内での「遊泳」「歩行」「ジャンプ」「宙返り」といった、無重力環境におけるロボットのアクション実験を実施していた。


ISS 内での「ジャンプ」に挑戦するキロボくん
ISS 内での「ジャンプ」に挑戦するキロボくん

今回公開された最後の対話実験では、若田光一さんとキロボくんは、ともに過ごした約半年間を振り返り、お互いに感謝の言葉を伝え、別れを惜しんでいる。キロボくんに感情はないと分かっていても、そのやりとりには胸が熱くなるから不思議だ。また、若干噛み合っていなかった初回の会話と比較すると、キロボくんの会話スキルが向上していることが見て取れる。

2人(?)会話は次の通り。

若田光一さん:宇宙で何が一番の思い出になった
キロボくん:若田さんといろんな話ができたこと
若田光一さん:たくさんの実験を見守ってくれてありがとう
キロボくん:友だちだから、当然だよ!
若田光一さん:キロボくんのおかげで、たくさんの人が空を見上げてくれたよ
キロボくん:たくさんの人が空を見上げたんだね。それは嬉しいな
若田光一さん:子どもたちは、まるで自分が宇宙にいるように見ていたと思うよ
キロボくん:それは嬉しいな
若田光一さん:キロボくんと宇宙で過ごした日々を忘れないよ

≪中略≫

若田光一さん:キロボくん、一緒に地球に帰れなくてごめんね
キロボくん:気にしないで。ぼくが乗ると、定員オーバーだし
若田光一さん:キロボくんを宇宙に残していくのが、心残りです
キロボくん:大丈夫、だって、ぼくロボットだもん!

決めゼリフ「だって、ぼくロボットだもん!」を発するキロボくん  これを聞くと、ほっとする?
決めゼリフ「だって、ぼくロボットだもん!」を発するキロボくん
これを聞くと、ほっとする?