自転車で演奏された楽曲と聞くと、どのようなものがイメージされるだろう?「マニア向けで、一般の人には理解不可能な現代音楽」。多くの人がそう想像するのではないだろうか?


作曲家 johnnyrandom さんは、自転車のコンポーネントを使って自作曲「Bespoken」を演奏し、発表した。この「Bespoken」は、想像するよりもずっとポップで楽しい楽曲だ。


johnnyrandom さんは、自転車のタイヤをドラム代わりに叩いてリズムを刻み、音楽の土台を作っている。その土台の上に、ブレーキハンドルを弾いたり、回転するタイヤをピックでひっかいたり、エアバルブから空気を漏らしたりしたときの音を加え、リズムに彩りを添えている。

自転車のタイヤはドラム  音楽の土台となるリズムを刻む
自転車のタイヤはドラム
音楽の土台となるリズムを刻む

タイヤをピックがひっかく音や
タイヤをピックがひっかく音や

 
ブレーキハンドルを弾く音
ブレーキハンドルを弾く音

エアバルブから空気が漏れる音が、リズムに彩りを添える
エアバルブから空気が漏れる音が、リズムに彩りを添える

メロディーを奏でるのはスポーク。johnnyrandom さんはスポークを指やピック、それにバイオリン用の弓で弾き、まるでギターやバイオリンのような音を出している。

スポークはピックや
スポークはピックや

弓で弾かれ、メロディーを奏でる
弓で弾かれ、メロディーを奏でる

「Bespoken」では、「サンプリング」などの技術は一切使用されていないという。このため、自転車の「チューニング」にはとても気を使ったそうだ。johnnyrandom さんは次のように述べている。

「私は、ホイールのスポークを一本一本チューニングし、音程を正確に合わせた。他のスポークと共振したり、不必要な倍音が発生しないように気を使った」

johnnyrandom さんはスポークを一本一本チューニングした
johnnyrandom さんはスポークを一本一本チューニングした

こうして完成した音楽は、自転車だけで演奏されているとはとても思えない、豊かなものだ。「Bespoken」は、米国の iTunes ミュージックストアで99セントで販売されており、購入者からは5つ星の高い評価を受けている。

「Bespoken」の一部は、下記で視聴できる。「Bespoken」が完成するまでのドキュメンタリーは、Vimeo で視聴可能だ。



自転車だけで演奏された音楽「Bespoken」