1,750馬力!世界最速を狙うSSCのハイパーカー「Tuatara」、量産1台目をフィラデルフィアオートショーで公開

米国ワシントン州に本拠をおくSSCが開発したハイパーカー「Tuatara(トゥアタラ)」が、フィラデルフィアオートショーで公開された。

1,750馬力!世界最速を狙うSSCのハイパーカー「Tuatara」、量産1台目をフィラデルフィアオートショーで公開
フィラデルフィアオートショーで公開されたSSC「Tuatara(トゥアタラ)」

SSCは2007年、同社の「アルティメット・エアロTT」によりスピード世界記録に挑戦。ケーニセグ「CCR」が2005年に樹立した記録388km/hを上回り、世界最速の量産車としてギネス世界記録に認定された。だが2010年にはブガッティの「ヴェイロン」によってこの記録は破られている。現在の世界最高速度は2019年9月にブガッティ「シロン」によって達成された490.484km/h。


今回フィラデルフィアオートショーに登場した「トゥアタラ」は、「アルティメット・エアロTT」の後継モデル。再び世界一の座を奪取するためのマシンで、ドライブトレインには最高出力1,750馬力を発揮する5.9L ツインターボエンジンと、7速のCIMAトランスミッションが装備されている。

1,750馬力!世界最速を狙うSSCのハイパーカー「Tuatara」、量産1台目をフィラデルフィアオートショーで公開
「エアロ/アルティメット・エアロTT」の後継モデル「トゥアタラ」で
世界一奪取を目指す

このエンジンは高出力なツインターボエンジンの製造で知られるネルソンレーシングエンジンと共同で、一からデザインされたものだ。

1,750馬力!世界最速を狙うSSCのハイパーカー「Tuatara」、量産1台目をフィラデルフィアオートショーで公開
最高出力1,750馬力を発揮する5.9L ツインターボエンジン

ボディ形状も世界一を目指すためのデザイン。Cd値は0.279と、量産車としては非常に優れた数値を達成している。またSSCは、「トゥアタラ」は480km/hを超えても安定した車両コントロールが可能な、理想的な空力バランスを与えられていると説明している。

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480km/hを超えても安定したコントロールが可能

リアにはアクティブウイングを装備。ブレーキング時にはこのウイングが上がり、制動性能を高めてくれる。

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アクティブウイング装備

SSCは、「トゥアタラ」は単に速いだけのマシンではなく、乗員に快適なドライビング体験を提供するクルマでもあると述べている。乗り降りはシザードア。このドアは油圧式で、ボタンをプッシュすることでオープンし、ドライバーと助手席の乗員を迎える。

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シザードア装備

ボンネットなどもシザードアに似たスタイルで開く。これはメンテナンス時に便利だ。

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開き過ぎ?

シザードアをくぐって潜り込むコックピットは、SSCによれば見た目よりもずっと広く、身長198センチの人がヘルメットを被って搭乗しても十分な余裕があるという。

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インテリアにもカーボンファイバー採用

ドライバーがサスペンションやハンドリングなどを変更可能なドライビングモードを装備。標準の「スポーツ」モードでは、車高はフロント約10.2センチ、リア約11.4センチに設定されている。だが「トラック」モードを選択すれば、車高は自動的にフロント約7センチ、リア約8.3センチまで下がり、よりアグレッシブな走りが可能となる。また、前述の7速変速機は、「トラック」モードでは100ミリ秒以下での変速を可能としている。

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変速はパドルで

「フロントリフト」モードも装備。このモードでは車高は標準状態よりも40ミリ上がり、段差の乗り越えなどを楽にしてくれる。

今回公開された車両は、合計で100台生産される「トゥアタラ」の最初の1台。今後同社ワシントン州の本社で、すべてのマシンが製造される予定だ。

1,750馬力!世界最速を狙うSSCのハイパーカー「Tuatara」
犬耳のようなリアデザイン