「Rocket One」は、車内を少しでも広く使うための工夫を満載したキャンピングカー。ドイツに本拠を置くRocket Camperが開発したもので、1月11日~19日まで開催された世界最大級の旅行見本市「CMT 2020」で公開されました。

Rocket Camper「Rocket One」
室内を広く使えるRocket Camper「Rocket One」
(C)Rocket Camper

広く使う工夫その1は、キッチンの取り付け方向。キャンピングカーでは通常、車内の壁に沿ってキッチンが設置されるのですが「Rocket One」では90度向きを変えて設置されており、後席スペースを広く取れるようにしています。


Rocket Camper「Rocket One」
赤い部分がキッチン
通常とは90度違う方向に配置されています
(C)Rocket Camper

Rocket Camper「Rocket One」
写真で見るとこんな感じ
(C)Rocket Camper

この配置だとキッチンがシートとベッドの間を塞いでしまい、乗員はキッチンが邪魔でベッドに移動できません。Rocket Camperはこの問題を、キッチンの引き出しを階段として使用することで解決しました。寝るときにはキッチンを乗り越えてベッドに移動する、という画期的な方法を採用しています。

Rocket Camper「Rocket One」
この階段でキッチンを乗り越えて
(C)Rocket Camper

Rocket Camper「Rocket One」
ベッドに移動します
(C)Rocket Camper

「子どもはともかく、大人はキッチンを乗り越えない」もの、というのが我々の常識。でも「Rocket One」はキャンピングカー。キャンプでは木と木の間に吊るしたハンモックで横になったり、崖に吊るしたポータレッジに一泊したりなど、日常とは違ったことをしても許されるはずです。であれば、キッチンをまたいでベッドに移動というのも許されるのでは?むしろキャンプではそれも楽しめるのでは?これが、Rocket Camperが「Rocket One」で画期的なキッチン配置を採用した理由のようです。

Rocket Camper「Rocket One」
ベッドをリアゲート方向から見た画像
(C)Rocket Camper

シャワーはクルマの外で浴びるタイプ。屋外のシャワー利用場所と室内のシンク設置場所を近づけることで無駄な配管を減らし、室内空間の拡大を実現しています。

Rocket Camper「Rocket One」
画像のシャワーヘッドを使い、屋外でシャワーを浴びます
(C)Rocket Camper

広く使う工夫その2はストラップの多用。例えばダイニングテーブルはストラップでシーリングから吊るして固定するシステムを採用しています。テーブルに脚がないので、小さなテーブルでも多くの人が同時に利用可能に。また、このストラップはアウトドア気分を高めるという役目も果たしています。

Rocket Camper「Rocket One」
テーブルは天井からストラップで吊るすシステム
アウトドアっぽくて楽しい!
(C)Rocket Camper

壁面に装備されたポケット収納やフックもアウトドア気分を高めています。これらは引き出しなどと比べて省スペース。また、移動中の振動で物が落ちるのを防ぐという働きも期待できます。

Rocket Camper「Rocket One」
アウトドア気分を高めるポケット収納
(C)Rocket Camper

ベース価格は5万7,650ユーロ(約693万円)からに設定されています。かなり高めではありますが、これは「Rocket One」が少量生産のため。Rocket Camperは「Rocket One」を購入した顧客からのフィードバックを反映し、将来的にはより多くの台数を生産する予定。そうなれば、価格もこなれてくるかもしれません。

Rocket Camper「Rocket One」
(C)Rocket Camper