自転車のように周囲を360度見渡せるBiomegaのEV

北欧の自転車メーカーBiomegaが電気自動車を開発しています。既存の自動車メーカーとはまったく異なる発想でデザインされた一台です。

自転車のように周囲を360度見渡せるBiomegaのEV
自転車メーカーBiomega、電気自動車を開発中

Biomegaの創業は1998年。以来、“移動する家具”をテーマに美しいデザインの自転車を作り続けてきました。“気に入った服を着ると、街に出たくなる”のと同じように、“気に入った自転車があると、クルマではなく自転車で出かけたくなる”製品を目指し、クルマメーカーと競合してきました。


自転車のように周囲を360度見渡せるBiomegaのEV
参考画像:Biomegaが販売している自転車
前輪が小さく、通常よりも前に装着されたユニークなデザイン

自転車のように周囲を360度見渡せるBiomegaのEV
参考画像2:目指しているのは「移動する家具」
“走るイケア”のような自転車です

そのBiomegaが開発している電気自動車は、シンプルなスカンジナビア・ミニマリズムのアプローチが採用されたデザイン。例えばホイールはボディの内側ではなく外側に装着される「オープンホイール構造」とされています。

自転車のように周囲を360度見渡せるBiomegaのEV
ホイールは4輪とも、ボディの外に

この構造により車内のフロアはフルフラット化が可能となりました。モーターを車内ではなく、ホイール内に組み込んだ「インホイールモーター」方式の採用も、フルフラット化に貢献しています。

自転車のように周囲を360度見渡せるBiomegaのEV
フロアは驚くほどフラット

オープンホイール構造はまた、車内から可動部を排除することにも貢献。これにより、ウィンドウ面積の最大化が可能となりました。例えばフロント部分にはパワーユニットはないので、ここもウィンドウ化されており、ドライバーや搭乗者は道路を目視できます。サンルーフも装備されることで、ほぼ360度のパノラマビューを実現しました。

自転車のように周囲を360度見渡せるBiomegaのEV
足元も目視できます
死角なし!

インテリアも必要以上の装飾を一切省いた北欧デザイン。コストカットにつなげると同時に、飽きのこないデザインとされました。

自転車のように周囲を360度見渡せるBiomegaのEV
インテリアも驚くほどすっきりシンプル
まさに、“走るIKEA”?

パワーユニットでは最大出力82hp、最大トルク160Nmを発揮するモーターを装備。0-100km/h加速は13秒を実現します。最高速度は時速130キロ。バッテリーはフル充電すれば160kmまでの走行が可能となっています。

自転車のように周囲を360度見渡せるBiomegaのEV
バッテリーはモジュール単位で交換が可能

価格は2万ユーロ(約239万円)を予定。販売開始は2021年から2023年の間を目指しています。

自転車のように周囲を360度見渡せるBiomegaのEV
こちらは量産車をイメージしたCG
ドアが装着されていて、安心しました

欧州ではクルマから自転車に乗り換えたものの、やっぱりクルマが必要なときがあると感じている人が多いそう。そのような人たちにBiomegaはアプローチしたいようです。また、クルマを所有することをステータスと感じるのではなく、単なる移動手段と考える人もターゲットとなるようです。