エンデューロ競技モデル ヤマハ「YZ250FX」がフルモデルチェンジを受け、9月20日に販売開始される。

ヤマハ「YZ250FX」フルモデルチェンジ
ヤマハ「YZ250FX」がフルモデルチェンジ

今回のフルモデルチェンジでは、1.新設計エンジン、2.新フレーム、3.新スペックの前後サスペンション、4. セルフスターター、5.スマートフォンでエンジンセッティングが可能なパワーチューナー、6.大容量クラッチ、などを採用。エンデューロレースでの戦闘力向上が図られた。


ヤマハ「YZ250FX」フルモデルチェンジ
フルモデルチェンジにより、エンデューロレースでの戦闘力を向上

また、新カラー(ディープパープリッシュブルーソリッドE)&グラフィックが採用されている。

メーカー希望小売価格は91万8,000円。

■「YZ250FX」の主な特徴
1. 新設計エンジン
新作アルミ鋳造ピストンを採用し、高回転域での性能向上を実現した。バルブリセス(ピストン上部の凹み)を深くとるなど独自のメカニカル加工を追加して圧縮比の安定化を図り、優れたパワー特性に貢献した。

ヤマハ「YZ250FX」フルモデルチェンジ

優れた吸入効率を得るために吸気側カムプロフィール(ワーキングアングルの変更、バルブリフト量拡大)の最適設計を行い、新仕様のカムチェーンガイド&テンショナー、軽量設計のトランスミッションとシフトカムなどを採用している。

2. 新フレーム
ギャップ走破性を高めるため、バイラテラルビーム・フレームのベースをモトクロス用YZ250Fと共通化。さらにエンジン懸架メインブラケットの補剛(フロント側に6mm厚の補剛材追加)、テンションパイプ配置の最適化などエンデューロ専用セッティングを施すことで縦・横・捻れの剛性を平均約15%アップ(従来比)した。剛性バランスをレース仕様に最適化したこととあわせ、軽快なハンドリングとしなやかな走り、落ち着きと安定感を実現している。

ヤマハ「YZ250FX」フルモデルチェンジ

3. 新スペックの前後サスペンション
前後サスペンションは、モトクロス用YZ250Fをベースとして、エンデューロレースに合わせたセッティングを施した。フロントは、倒立式サスペンション(気液分離タイプ)で、アウターチューブの剛性バランスを最適化し、接地感を向上している。

ヤマハ「YZ250FX」フルモデルチェンジ

リアはリンク式モノクロスサスペンションのストローク長やリアアームの垂れ角などを調整し、良好なギャップ吸収性と作動性の向上を両立させた。

4. セルフスターター
セルフスターターは電源に軽量なリチウムイオンバッテリーを採用した。スターターモーターは軽量・コンパクト化をはかり、車両中央に寄せて配置することで、車体の重量バランス最適化を図っている。

5. パワーチューナー
エンジンセッティングを行うパワーチューナーの操作デバイスは、従来の付属コントローラーからスマートフォンに変更された。

ヤマハ「YZ250FX」フルモデルチェンジ

車両本体に2パターンのエンジンマップを保存でき、ハンドル左に配置したモードスイッチを使うことでレース中でも切り換えられる。

6. 大容量クラッチ
耐熱性・耐久性に優れる8枚のフリクションプレートを採用。長時間のレース中に行う、頻繁なシフトチェンジや半クラッチ操作など、負荷の大きい状況に対応した。プレートの表面はナーリング加工(細かな凹み加工)により、摩擦力・スプリング荷重を向上。良好な操作フィーリングをライダーに提供する。

ヤマハ「YZ250FX」フルモデルチェンジ

ヤマハはまた、エンデューロ競技用車両「YZ450FX」「YZ250X」「YZ125X」の2020年モデルを8月20日に販売開始する。メーカー希望小売価格は「YZ450FX」が105万8,400円、「YZ250X」が73万4,400円、「YZ125X」が62万6,400円。