Watergen USAは、車内で飲料水を生み出すシステムをCES 2019で公開した。

飲料水を車内で生み出すWatergen USAのシステム
Watergen USAによる、車内で飲料水を生み出すシステム

このシステムは、車外の空気を吸い込み、冷やして水を取り出すというもの。空気から水への変換にはWatergen USAの「GENius」テクノロジーが使用されており、競合システムよりも高い効率で水を取り出せるという。


飲料水を車内で生み出すWatergen USAのシステム
Watergen USAによる「GENius」テクノロジー概要

空気はシステム内に取り込まれる段階で複数のフィルターを通過し、埃や汚染物質が除去されている。このため取り出された水は清潔であるという。また取り出された水にはミネラルなどが追加され、おいしいと感じられる飲料水に仕上げられるそうだ。

飲料水は、専用のタンクに貯められる。このタンク内の飲料水は、コンソールに設置されるディスペンサーから、いつでも簡単に飲むことが可能だ。

飲料水を車内で生み出すWatergen USAのシステム
ディスペンサーから、飲料水をいつでも!

Watergen USAのCEOであるEd Russoは、同社のシステムがあれば、ドライバーは飲料水を入手するわずらわしさから解放されると述べる。例えばオートキャンプをするようなケースで、このシステムは便利だ。また、ロングドライブでは、多くのペットボトルを車内に積んで移動するケースも多いが、Watergen USAのシステムがあればペットボトルの消費量を削減できるとしている。

同社は現在、大手の自動車メーカーと共同で、このシステムのクルマへの組み込みに取り組んでいる。

車内で飲料水を生み出すシステムとしては、フォードが2016年に発表した「On-the-Go H2O」システムのプロトタイプが知られている。このシステムは、エアコンによって車内の空気から除去され、道路上に捨てられる水を再利用して飲料水を生み出すもの。当時フォードは、「On-the-Go H2O」を使用し、1時間で約1.89リットルの飲料水を生成できたと発表していた。

フォードが2016年に発表した「On-the-Go H2O」システムのプロトタイプ
フォードによる「On-the-Go H2O」システムのプロトタイプ