電車の駅からオフィスなどの最終目的地までの「ラストマイル」移動用の乗り物は、欧米では需要が高まっています。ブームは予想を上回るほど長期間続いており、これにより、利用者からの要求にも変化が。当初はとにかく機能性重視で、価格優先の製品が多かったのですが、ここにきて、デザイン重視の比較的価格高めの製品がでてきています。
電動キックスケーター「Unagi(うなぎ)」もそんな乗り物のひとつ。米国サンフランシスコ近郊に本拠を置くUnagi Scootersが開発しました。
性能的には既存のキックスケーターと変わるところはほとんどありません。違いは素材とデザインと仕上げ。ハンドルバーとその周辺では、素材にマグネシウム合金が採用されており、大人が持っていても恥ずかしくない仕上げとされました。マグネシウム合金はボディの軽量化にも貢献しています。
ハンドルバー周辺はもちろん、ボディ全体ででっぱりやねじ穴、ケーブルなどが極力排されて、すっきりとした外観とされています。ボディの素材には、ステンレススチールのほか、東レのカーボンファイバーを採用。強靭さと軽さを両立させました。塗装にも気を使い、上質感を高めているそうです。
折り畳み機構は軽くスムーズで、それでいて確実なもの。折り畳み時も走行時も“カチッ”とはまり、安心して持ち運び/走行ができます。この“カチッ”とする感覚も、製品の上質さを演出しているのだとか。
しっかり固定してくれます
タイヤは6.5インチのノーパンクタイヤ。遅刻できないビジネスパーソンの強い味方となります。このタイヤは、前後のサスペンションシステムとしても機能するのだとか。
バリエーションは2種類。250Wのインホイールモーターをフロントに装備した一般向けの「Unagi E250」と、450Wのハイパワーモーターを装備した「Unagi E450」の構成。「Unagi E450」は15度の急坂も上れるそう。坂の多いサンフランシスコに近い場所にオフィスを構えるUnagi Scootersならではのモデルといえます。
15度の坂を上れます
ちなみに、一回の充電で走行できる距離は、どちらのバージョンも約25キロとされています。これも、ラストマイル移動向けの仕様のようです。
Unagi Scootersは現在、「Unagi」の市販化に向けクラウドファンディングサイトKickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、623ドルの出資で「Unagi E250」を1台入手できます。出荷は2019年2月に予定されています。
なお、「Unagi」は日本では公道は走行できず、許可を受けた私有地のみでの利用となります。