日本と違い電動アシスト自転車に対する規制が比較的緩い欧州各国では、様々なタイプの新製品が毎月のように登場しています。「Ringo」もそんな電動アシストのひとつ。ギリシャのiordanis kaltsidisさんが提案しているもので、電動アシストなのに木製フレームを採用しているのが特徴です。


木製自転車「Ringo」を製造する目的は、不景気で仕事のない木工職人や大工の人たち向けに新たな仕事を創出して提供すること。それによって、20%を超えるギリシャの失業率を少しでも低下させることにあります。電動アシストにしたのは、EU圏内の他国での販売を拡大させるためなのだとか。



このあたり、「CO2排出量を抑えるため、自転車通勤者向けの悪天候に強く、故障の少ない電動アシスト」の製造を目指しているドイツや、「電動アシストとわからない、美しいデザイン」にこだわるイタリアなどとは大分事情が異なっていると言えるでしょう。


とはいえ、均整と調和のとれた造形美が特徴のギリシャデザインは、「Ringo」の木製フレームにも活かされています。フレームは、2枚の板を組み合わせた構造。これにより、軽量でありながら頑丈な構造を獲得しました。また、板の間にケーブル類を通すことで、外観を美しく保てるという効果もあるのだとか。心配なのは強度。ダウンチューブにあたる部分がないため、フレームにねじれの力がかかったときに、トップチューブが破損しないか不安ですが、こればかりは実際に入手してみないとなんとも言えないでしょう。


木製フレームには、そのデザインが街の景色に溶け込みやすいというメリットがあるそうです。例えばオープンカフェのウッドテーブルの横に自転車を駐輪しても、木製フレームであれば絵になります。


kaltsidisさんは現在、「Ringo」プロジェクトの実現に向けてクラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者を募集中。1,800ユーロの出資で電動アシスト版の「Ringo」を一台入手できます(日本の公道では走行できません)。


「Ringo」には、アシスト機能のついていないバージョンも。こちらは800ユーロで、配送予定は2016年5月頃の予定となっています。