自転車用のライトはバッテリーの扱いが面倒。夜間走行中にバッテリー切れを起こした場合は、代替の様々な手段を使いながら、低速でそっと走行することになります。

参考画像:100均で購入したライトを“代替手段”として利用した例  案外使えます
参考画像:100均で購入したライトを“代替手段”として利用した例
案外使えます

シティサイクル(いわゆる“ママチャリ”)のようにダイナモを取り付けても良いのですが走行抵抗が気になるし、かといってハブダイナモは取り付けが面倒です。

そんな悩みを解決してくれるのが「NEO」。デンマークのReelightが開発しました。バッテリー不要、シンプルで実用的なデザイン、そして取り付け/取り外しが簡単という特徴を持っています。

デンマークのReelightが開発した自転車用ライト「NEO」
デンマークのReelightが開発した自転車用ライト「NEO」

「NEO」の1つ目の特徴は「渦電流」を活用して発電している点にあります。これにより、バッテリーの充電や予備乾電池の持ち歩きを不要にしました。「渦電流」とは、金属を磁場内で動かした際に電磁誘導効果によって金属じる誘導電流のこと。「NEO」では、本体に内蔵された磁石が生成した磁場内を、自転車のホイールが回転することで発電してライトを点灯させます。従来型のダイナモとはことなり、「NEO」とホイールは一切接触しないので走行抵抗は「ゼロ」です。

「NEO」は「渦電流」を活用して発電  LEDライトを点灯させます
「NEO」は「渦電流」を活用して発電
LEDライトを点灯させます

自転車ライトを「渦電流」で点灯させるというアイディアは以前からありましたが、発電量がわずかでなかなか実用化されませんでした。省電力でかつ明るいLEDが安価で入手可能となったことで、「NEO」が実現したそうです。

「NEO」に搭載されたLED  発明してくれた人、ありがとうございます!
「NEO」に搭載されたLED
発明してくれた人、ありがとうございます!

「NEO」の2つ目の特徴は、北欧の企業に特徴的な「スカンディナヴィアデザイン」。「飽きのこないシンプルなルックス」と「機能的で長く愛用できる実用性」を両立させています。それを端的に示しているのがLEDライトの取り付け位置でしょう。センスの無い企業であれば、発電部の上にLEDライトを取り付けてしまいがちですよね。でも「NEO」では、フォークからホイールのリムへと伸びるアーム部分にライトを組み込み、“シンプル”なデザインと高い耐久性を実現しています。

「NEO」のコンセプト図  シンプルで飽きのこないデザイン
「NEO」のコンセプト図
シンプルで飽きのこないデザイン

「NEO」の3つ目の特徴は、取り付け/取り外しが簡単なこと。付属のツールで30秒で取り付けができるのだとか。自転車を買い換えた時などにも、簡単に新しい自転車に移すことができます。

30秒で取り付け完了!
30秒で取り付け完了!

Reelightは現在、「NEO」の市販化に向けクラウドファンディングサイトkickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施中。記事執筆時点では、36ドル出資することで、「NEO」を1台入手可能となっています。入手に必要な金額はキャンペーンが進むにつれて上昇し、終了後の市販価格は60ドルとなる予定。出荷は2015年の12月で、日本への配送にも対応しています。

さて、「NEO」には1つだけ残念な点が。それは、アルミホイールにしか対応していないということ。「渦電流」を発生させる上では、アルミがもっとも適しているためだそうです。Reelightに問い合わせてみたところ、スティールホイールでも点灯するケースはあるそうですが、「NEO」のパワーを100%引き出すには、アルミホイールで利用して欲しいとのことでした。出資あるいは購入する前には、愛車のホイールの種類を確認してください。

リアホイール用もあるみたいです
リアホイール用もあるみたいです