ヤマハは英国で「XSR700」を発表した。レトロスタイルと最新のテクノロジーを融合させたヤマハの新たなフィロソフィー「Faster Sons」を体現したスポーツヘリテージバイクだ。

ヤマハがスポーツヘリテージバイク「XSR700」を発表
ヤマハがスポーツヘリテージバイク「XSR700」を発表

「Faster Sons」というフィロソフィーは、ロサンゼルスに本拠を置く日本人バイクビルダー木村信也氏とのコラボレーションによって生まれたもの。ヤマハは木村氏によるコンセプトバイクをYard Builtで公開していた。今回発表された「XSR700」は、「Faster Sons」というビジョンを市販車で実現する最初の試みだ。


参考画像:木村氏による「Faster Sons」
参考画像:木村氏による「Faster Sons」

「XSR700」のベースは「MT-07」。仕様を見る限り、「XSR700」のドライブトレイン、ブレーキ、サスペンション、フレームなどは、「MT-07」のものをほとんどそのまま流用しているようだ。

参考画像:「XSR700」のベースとなった「MT-07」
参考画像:「XSR700」のベースとなった「MT-07」


「XSR700」スタジオ撮影画像  多くの要素を「MT-07」と共有していることがわかる
「XSR700」スタジオ撮影画像
多くの要素を「MT-07」と共有していることがわかる

「XSR700」のドライブトレインを構成するのは689cc水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒エンジン。最高出力は55kW(74.8PS)/9,000rpmで、最大トルクは68N・m(6.9kgf・m)/6,500rpm。これに6速トランスミッションが組み合わされている。

エンジンは689cc水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒
エンジンは689cc水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒

ブレーキは、フロントが油圧式ダブルディスク、リアが油圧式シングルディスク。車両重量は「MT-07」が182キロだったのに対し、「XSR700」は186キロと若干重くなった。

フロントの油圧式ダブルディスクブレーキ
フロントの油圧式ダブルディスクブレーキ

これだけ多くの要素を共有しながらも、「XSR700」を見たときの印象は「MT-07」のそれとは大きく異なる。その印象を決定付けているのは、やはりそのルックスだろう。ヘッドライト、燃料タンク、シート、ハンドルなどが交換され、ビンテージバイクの雰囲気を醸し出すことに成功している。

レトロな雰囲気を醸し出すヘッドライト
レトロな雰囲気を醸し出すヘッドライト

燃料タンクはもう少し細長くした方が、  カフェレーサーらしくなったかも?
燃料タンクはもう少し細長くした方が、
カフェレーサーらしくなったかも?

シートはかなり良い味を出している
シートはかなり良い味を出している

ハンドルバーはスクランブラースタイル  ドゥカティ風?
ハンドルバーはスクランブラースタイル
ドゥカティ風?

父親世代が乗っていたデザインのバイクに乗りたい。だが、メンテナンスにはお金も時間もかけたくはない。そんな人にとって、昔ながらのデザインと現代のテクノロジーを併せ持つ「Faster Sons」コンセプトのバイクは福音となるかもしれない。

「Faster Sons(より早い息子たち)」は、父親のスタイルを受け継ぎつつ  現代のテクノロジーで速く、楽に走れる「息子たち」
「Faster Sons(より早い息子たち)」は、父親のスタイルを受け継ぎつつ
現代のテクノロジーで速く、楽に走れる「息子たち」

カラーバリエーションは、発表されている限りでは「フォレストグリーン」と「ガレージメンタル」の2色。欧州では、2015年11月に販売予定。日本市場への導入については明らかにされていない。