「Byxee」はサイクリストの安全な走行を手助けするツール。前方をスキャンして路上の障害物などを検知し、サイクリストに警告を発する。


「Byxee」は最大で約25メートル前方までスキャン可能。路面の穴や、不完全な補修跡などを発見し、ビープ音でサイクリストに知らせる仕組みだ。自転車が時速16キロで走行している場合には障害物に到達する約5秒前、32キロで走行している場合であれば約3秒前に警告が発せられる。



検知できる障害物のサイズは最小で7.5センチ。


サイクリストは走行中のほとんどの時間、前方を注視している。だが太陽の光が目に入ったときや、水分を補給しているときなどに、視線がそれてしまうことがある。長時間の走行により疲労し、注意力が落ちてしまうこともあるだろう。


「Byxee」は視線をそらすことなく、疲れることもなく、サイクリストのもう一つの目として常に路面をチェック。走行安全性を高めてくれるツールだ。


サイズは長さ9.5x幅4.0x高さ2.5センチで重さは70グラム。1回の充電で最長30時間の利用が可能。

「Byxee」を開発したイタリアの Riccardo Ricci 氏は現在、「Byxee」の市販化に向けクラウドファンディングサイト Indiegogo で出資者募集のキャンペーンを実施中。記事執筆時点では、139ドル出資することで「Byxee」を一台入手可能だ(日本への送料が別途35ドル必要)。入手に必要な金額はキャンペーン後半になるつれて上昇し、キャンペーン終了後の市販価格は249ドルになる。出荷は2016年2月を予定している。

日本の都市部を走行する場合、「Byxee」はあまり役に立たないかもしれない。自転車が走行すべき車道の左側にはクルマが一時停止していることが多く、道路によっては「Byxee」が警告を発し続けることになりかねないからだ。日本では自転車レーンの整備の方が、「Byxee」のようなツールの普及より優先されるべきだろう。

海外では、ヤギなどの小動物が障害物となることも、ままある
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