カナダ シャーブルック大学の学生たちが、本格的な雪道用自転車を開発するプロジェクト「Avalanche」に取り組んでいます。

雪道をものともしない!  雪上自転車製作プロジェクト「Avalanche」
雪道をものともしない!
雪上自転車製作プロジェクト「Avalanche」

雪道走行可能な自転車はすでにいくつか市販されており、その多くは自転車の前輪をスキーに、後輪をキャタピラに換装したシステムを採用しています。雪道でのトラクションを確保し、かつある程度の操縦性を実現するには、このシステムがベストなのだとか。


参考画像:雪上自転車「KtracK」  前輪をスキーに、後輪をキャタピラに換装
参考画像:雪上自転車「KtracK」
前輪をスキーに、後輪をキャタピラに換装

「Avalanche」も基本的にはこの形式を踏襲。でも既存の雪道用自転車とは異なり、フロントにはスキー板2枚を取り付けるる「デュアルスキーシステム」を採用しました。これにより、ブレーキング性能とハンドリング性能が大きく向上したそうです。

フロントは板2枚で構成される「デュアルスキ―システム」  ブレーキング性能とハンドリング性能が向上
フロントは板2枚で構成される「デュアルスキ―システム」
ブレーキング性能とハンドリング性能が向上

スキーで停止するには、板を八の字にし内側のエッジを立て気味にします。「Avalanche」ではフロントのスキーを2枚構成にして、この動きを自転車でも再現可能にしました。ハンドブレーキを引けば、スキーが八の字になると同時に内側のエッジが立ち、自転車は停止します。後輪のディスクブレーキとあわせることで、これまでの雪上自転車よりも高い制動力を得られるそうです。

ハンドブレーキを引くと板が八の字になり、制動がかかります
ハンドブレーキを引くと板が八の字になり、制動がかかります

「デュアルスキーシステム」はまた、カーブを曲がる際のハンドリングも向上させます。

「デュアルスキーシステム」により、カーブをよりスムーズに曲がれます
「デュアルスキーシステム」により、カーブをよりスムーズに曲がれます

シャーブルック大学のあるカナダのケベック州シャーブルックは、1月の平均気温がマイナス11.9度で、年間降雪量は294.3センチという街。世界で最も多くのホッケー・スティックを生産している街でもあります。

「Avalanche」は本来、冬の間もマウンテンバイクでダウンヒルを楽しみたい人たち向けに開発がスタートしました。でも、雪の多いシャーブルック大学では、冬場のキャンパス内移動にも、「Avalanche」を利用するかもしれないとのことです。

学生たちは年内に最終プロトタイプを完成させ、12月に開催される学内の展示会で発表するとしています。