ウェザーニューズは2015年の梅雨の天気傾向を発表した。今年はほぼ全国的に平年より長い梅雨となりそうで、多くの地域で梅雨明けは7月下旬になるとしている。雨量は梅雨の後半ほど増加し、7月に入ると活発な梅雨前線の影響で強い雨の日が増える見込みのため、大雨による河川の増水、道路冠水、浸水、土砂災害に十分注意が必要となる。

■2015年梅雨期間の傾向~全国的に長梅雨となる見込み~
今年は、西日本〜関東で平年並〜早めに梅雨を迎えた。北陸や東北も今週、平年並の時期に梅雨入りする可能性がある。



今年はエルニーニョ現象の影響で夏の高気圧(太平洋高気圧)の日本付近への張り出しが弱く、今後、梅雨前線の北上は次第に遅くなる見込み。このため、梅雨明けはほぼ全国的に平年より遅くなる可能性があり、広い範囲でいつもの年より長い梅雨となりそう。早めに梅雨入りを迎えた九州北部〜近畿や、梅雨明けの遅れが予想される北陸や東北では、梅雨が平年より一週間程度長くなる可能性がある。

■梅雨の雨量傾向〜梅雨後半は大雨に警戒〜 
梅雨の期間を通した雨量は、西日本日本海側・奄美・沖縄で平年よりやや多く、その他のエリアでは平年並となる見込み。


今年は梅雨前線の北上のタイミングが平年より遅く、6月は沖縄付近〜西日本の南岸に前線が停滞する日が多くなる。沖縄・奄美・九州・四国では激しい雷雨や大雨に注意が必要。

一方、中国・近畿・東日本・東北では、梅雨入り後も比較的晴れ間があり、6月の雨量は平年よりやや少ないところが多くなる見込み。7月に入ると梅雨前線が本州付近に北上し、全国的に激しい雷雨や大雨の恐れがある。

西日本太平洋側・東日本・東北の梅雨期間の予想雨量は平年並だが、7月の雨量が平年より多くなる恐れがあるため、梅雨後半は道路冠水や家屋の浸水、河川の増水、土砂災害などに十分注意が必要。

なお、今回発表された見解は、6月9日時点の情報をもとにしたもの。最新の梅雨情報については、ウェザーニューズのスマートフォン向け Web サイト「梅雨見解」、ウェザーニューズのスマートフォンアプリ「ウェザーニュースタッチ」、または携帯サイトを参照されたい。

■エリアごとの梅雨の天気傾向
◆東北~雨のピーク時期は7月中旬から下旬、雨量傾向は6月、7月とも平年並~

平年並の時期に梅雨入りする予想だが、その後はエルニーニョ現象の影響で梅雨前線の北上が次第に遅くなり、梅雨明けは平年より遅くなる見込み。梅雨入りが平年並で梅雨明けが遅いため、今年の梅雨は平年より長くなりそう。

6月は梅雨前線が本州の南海上に停滞する日が多く、例年より南に離れているため、晴れる日も多く、空梅雨の傾向となりそう。7月は梅雨前線が北上して曇りや雨の日が多くなり、雷を伴う激しい雨や大雨の恐れがある。河川の増水、浸水、土砂災害に注意が必要。また、特に太平洋側では海上から涼しい風が吹き、一時的に気温が低くなる時期がありそう。

梅雨明けは7月末〜8月初めの予想。

◆北陸~雨のピーク時期は7月中旬から下旬、雨量傾向は6月はやや少なめ、7月はやや多め~
平年並の時期に梅雨入りする予想だが、その後はエルニーニョ現象の影響で梅雨前線の北上が次第に遅くなり、梅雨明けは平年より遅くなる見込み。梅雨入りが平年並で梅雨明けが遅いため、今年の梅雨は平年より長くなりそう。

6月は梅雨前線が本州の南海上に停滞する日が多く、例年より南に離れているため、平年より雨量がやや少なくなる見込み。7月は梅雨前線が北上して曇りや雨の日が多くなる。雷を伴う激しい雨や大雨で、雨量が平年より多くなる可能性があるので、河川の増水、浸水、土砂災害に注意が必要。

梅雨明けは7月末の予想。

◆関東甲信~雨のピーク時期は7月中旬、雨量傾向は6月はやや少なめ、7月はやや多め~
平年並の時期に梅雨入りを迎えたが、エルニーニョ現象の影響で今後は梅雨前線の北上が次第に遅くなり、梅雨明けは平年より遅くなる見込み。梅雨入りが平年並で梅雨明けが遅いため、今年の梅雨は平年より長くなりそう。

6月は梅雨前線が本州の南海上に停滞する日が多く、例年より南に離れているため、平年より雨量がやや少なくなる見込み。7月は梅雨前線が北上して本州付近に停滞し、曇りや雨の日が多くなる。激しい雨や大雨の恐れもあり、雨量が平年より多くなる可能性がある。河川の増水、浸水、土砂災害に注意が必要。

梅雨明けは7月下旬の予想。

◆東海~雨のピーク時期は7月中旬、雨量傾向は6月はやや少なめ、7月はやや多め~
平年並の時期に梅雨入りを迎えたが、エルニーニョ現象の影響で今後は梅雨前線の北上が次第に遅くなり、梅雨明けは平年より遅くなる見込み。梅雨入りが平年並で梅雨明けが遅いため、今年の梅雨は平年より長くなりそう。

6月は梅雨前線が本州の南海上に停滞する日が多く、例年より南に離れているため、平年より雨量がやや少なくなる見込み。7月は梅雨前線が北上して本州付近に停滞し、曇りや雨の日が多くなる。激しい雨や大雨の恐れもあり、雨量が平年より多くなる可能性があるので、河川の増水、浸水、土砂災害に注意が必要。

梅雨明けは7月下旬の予想。

◆近畿~雨のピーク時期は7月中旬、雨量傾向は6月はやややや少なめ、7月はやや多め~
平年より早い時期に梅雨入りを迎えたが、エルニーニョ現象の影響で今後は梅雨前線の北上が次第に遅くなり、梅雨明けは平年より遅くなる見込み。梅雨入りが早く、梅雨明けが遅いため、今年の梅雨は平年より長くなりそう。

6月は梅雨前線が西日本の南岸に停滞して曇りや雨の日が多くなるが、平年に比べると雨量はやや少ない見込み。7月は梅雨前線が本州付近に停滞し、強い雨の日もある。梅雨末期は大雨となり、雨量が平年より多くなる恐れがあるので、河川の増水、浸水、土砂災害に注意が必要。

梅雨明けは7月下旬の予想。

◆中国四国~雨のピーク時期は7月上旬から中旬、雨量傾向は6月はやや少なめ、7月はやや多め~
四国では平年並、中国では平年より早い時期に梅雨入りを迎えた。エルニーニョ現象の影響で今後は梅雨前線の北上が次第に遅くなり、梅雨明けは平年より遅くなる見込み。梅雨入りが早く、梅雨明けが遅いため、今年の梅雨は平年より長くなりそう。

6月は梅雨前線が西日本の南岸に停滞して曇りや雨の日が多くなる。平年に比べると雨量はやや少ない見込みだが、前線に近い四国では活発な梅雨前線の影響で梅雨前半から大雨になる日もあり、注意が必要。7月は梅雨前線が停滞し、梅雨末期は大雨となる恐れがある。梅雨後半は雨量が平年より多くなる可能性があり、河川の増水、浸水、土砂災害に注意が必要。特に中国の日本海側では雨が多く、6〜7月の総雨量も平年よりやや多くなる可能性がある。

梅雨明けは7月下旬の予想。

◆九州~雨のピーク時期は7月上旬から中旬、雨量傾向は6月はやや少なめ、7月はやや多め~
南部では平年並、北部では平年より早い時期に梅雨入りを迎えた。エルニーニョ現象の影響で今後は梅雨前線の北上が次第に遅くなり、梅雨明けは北部ほど遅くなる見込み。北部では梅雨入りが早く、梅雨明けが遅いため、今年の梅雨は平年より長くなりそう。

6月は梅雨前線が西日本の南岸に停滞して曇りや雨の日が多くなる。平年に比べると雨量はやや少なくなる見込みだが、前線が活発化して大雨となる日もあり、注意が必要。7月は九州付近に梅雨前線が停滞する。暖かく湿った空気の影響で前線活動が活発化して大雨となり、雨量が平年より多くなる恐れがあるので、河川の増水、浸水、土砂災害に注意が必要。特に北部では雨が多く、6〜7月の総雨量も平年よりやや多くなる可能性がある。

梅雨明けは南部で7月中旬、北部で7月下旬の予想。

◆沖縄奄美~雨のピーク時期は6月下旬(奄美は7月初めまで)、雨量傾向は6月はやや多め、7月は平年並~
エルニーニョ現象の影響で前線の北上が平年よりやや遅れるため、梅雨明けは平年より遅くなる見込み。特に沖縄では梅雨を迎えるのが平年よりかなり遅れた影響で、梅雨明けが遅くても、梅雨の期間は平年に比べ短くなりそう。

現在、梅雨前線は一旦北上して梅雨の中休みとなっているが、6月後半からは再び活発な前線が南下し、沖縄は6月下旬、奄美は6月下旬~7月初めにかけて大雨となる恐れがある。河川の増水、浸水、土砂災害に注意が必要。

梅雨明けは沖縄で6月末、奄美で7月初めの予想。