「ニュー・ブリー」は、2011年に発表されたフォルクスワーゲンのコンセプトカー。乗車定員6名、1回の充電で300キロ走行可能な電気自動車だ。そして、そのデザインのベースになっていたのが、「ワーゲンバス」と呼ばれている「タイプ2」だった。
今回発表された第6世代のトランスポーター「T6」は、一部のワーゲンバスマニアの間で、「ひょっとしたら、ニュー・ブリーベースのデザインを持つモデルが含まれているのでは?」と期待されていたが、そうはならなかった。
「T6」のデザインは、前バージョンである「T5」を継承。フロントフェイスは若干変更されているが、サイドラインなどは T5 とあまり変わってはいない。大きなデザイン変更の谷間にある、マイナーチェンジのようにも見える。
(画像は「ジェネレーションシックス」)
燃費は「T5」から改善された。アイドリングストップなどにより、新ラインアップの燃費は平均で15%向上している。
その他、安全装備や快適装備なども充実した。
さて、「T6」では「ニュー・ブリー」ベースのデザイン採用とはならなかったが、英国の老舗自動車メディア Autocar の記事によれば、フォルクスワーゲンにはキャンパーで「ニュー・ブリー」を登場させる計画があるそうだ。
フォルクスワーゲンのトランスポーターは、工事現場での使用を含む業務用自動車として利用されていることがほとんど。そこでは魅力的なルックスよりも、経済性や安全性が要求される。
だがキャンパーは個人が所有し、バケーションなどで利用するものだ。それが、「ニュー・ブリー」のルックスを持っていれば、欲しいと思う人は多いだろう。
日本では「ランクル70」や「S660」、そして「アルト ターボ RS」など、かつての名車またはそのコンセプトを復刻させたクルマが高い人気を獲得している。ある程度お金に余裕のある年齢に達した人や、仕事をリタイヤした人の「若かったころに見た、あのクルマに乗ってみたい」という願望をかなえることで、販売を伸ばしているようだ。
ワーゲンバスも、復活を願う人の多いクルマ。もしフォルクスワーゲンが「ニュー・ブリー」を販売すれば、ヒットは間違いないだろう。少なくとも、ラブアンドピース世代の米国人と、日本人は飛び付くはずだ。