NASA は電気自動車「Modular Robotic Vehicle(MRV)」を開発。そのプロトタイプを公開した。地球以外の天体の表面移動に利用される惑星探査用ローバーをベースとしている。

NASA が開発した電気自動車「Modular Robotic Vehicle(MRV)」
NASA が開発した電気自動車「Modular Robotic Vehicle(MRV)」

MRV は、宇宙開発目的で開発された技術を一般向けに転用する NASA によるプロジェクトの一環。地表以外の場所を走行するために開発された、ユニークな技術が搭載されている。


各ホイール内には、独立して動作する水冷式のモーターが搭載されている。この構造により、従来の自動車とはまったく異なる走行が可能となった。例えば、その場で180度回転することができる。狭い道路で対向車とのすれ違いが不可能なとき、その場で U ターンして広い場所まで戻ることが、誰にでも簡単にできるようになる。

ホイール内にモーターを組み込んだことで  これまでのクルマとは異なった走行が可能に
ホイール内にモーターを組み込んだことで
これまでのクルマとは異なった走行が可能に

真横に移動する“カニ走り”も可能。狭いスペースに駐車するのも簡単だ。これは、縦列駐車が苦手な人にはうれしい機能だろう。

“カニ走り”ができるので
“カニ走り”ができるので

狭い場所での駐車も簡単  これはうれしい機能!
狭い場所での駐車も簡単
これはうれしい機能!

4輪を自由にコントロールできることを活かした、ドリフト走行もできる。

ドリフト走行も簡単に  うれしくは…ない?
ドリフト走行も簡単に
うれしくは…ない?

その他、リモートからの操縦機能も搭載されている。

ハンドルを握らなくても、遠隔操作で走行できる
ハンドルを握らなくても、遠隔操作で走行できる

MRV の欠点をあげるとしたら、デザインがいまひとつという点だろう。米国で格好悪いクルマに向けられる表現「ゴルフカートのようだ」という言葉がまさに当てはまる。だが MRV は現在、自動車メーカーと共同で開発されているという。MRV の技術を既存の自動車メーカーが取り込めば、NASA の技術と美しいデザインをあわせもった一台が誕生するかもしれない。


NASA が開発中の「Modular Robotic Vehicle(MRV)」