英国ロンドン在住のクリスピン・シンクレアさんは、“世界一安全な電動アシスト自転車”「Babel Bike」を発表した。ロールバーとシートベルトにより、サイクリストをガードするとしている。

“世界一安全な電動アシスト自転車”「Babel Bike」
“世界一安全な電動アシスト自転車”「Babel Bike」

シンクレアさんによれば、自転車関連の交通事故の中で特に重大なものは、自動車との接触や巻き込みによって発生しているという。そしてそのような事故が発生したとき、サイクリストの身を守る装備は、一般的な自転車にはほとんど何も取り付けられていない。


「Babel Bike」は、サイクリストを保護する機能を搭載した電動アシスト自転車。サイクリストが道路に投げ出されることを防ぐシートベルト、足が挟まれることを防ぐスティール製のフットプロテクター、そして身体と頭を保護するロールバーが装備されている。

足を保護するスティール製のフットプロテクター
足を保護するスティール製のフットプロテクター

身体と頭を保護するロールバー  レーシングカーではお馴染みの装備だ
身体と頭を保護するロールバー
レーシングカーではお馴染みの装備だ

「Babel Bike」のプロトタイプを使用した大型トラックによる巻き込み事故検証実験では、これらの装備はダミーのサイクリストの保護に十分に機能したという。

「Babel Bike」のプロトタイプを使用した大型トラックによる巻き込み事故検証実験
「Babel Bike」のプロトタイプを使用した大型トラックによる巻き込み事故検証実験

その他、バックミラー、ケージライト、ウィンカー、ハザード、ブレーキランプといったセーフティ機能も備えられている。

ブレーキランプ(左) ケージライト(右)
ブレーキランプ(左) ケージライト(右)

満載された安全装備のため、「Babel Bike」の車重は通常の自転車の3倍近いものとなってしまった。だが電動アシスト機能により、サイクリストは重さを気にせず、快適な走行が可能だという。“世界一安全”を謳う「Babel Bike」は、電動アシスト機能の発達によって誕生した自転車と言えるかもしれない。

電動アシスト機能による快適な走行が可能
電動アシスト機能による快適な走行が可能

「Babel Bike」を発明したクリスピン・シンクレアさんは、英国の発明家であるクライブ・シンクレアさんの子息だ。クライブ・シンクレアさんは、薄型電卓やパーソナルコンピューター「シンクレア ZX80」などの他、小型折り畳み自転車 A-Bike の発明でもその名前を知られている。

英国の発明家クライブ・シンクレアさんによる「A-Bike」
英国の発明家クライブ・シンクレアさんによる「A-Bike」

シンクレアさんは現在、クラウドファンディングサイト Indiegogo で出資者募集のキャンペーンを実施中。2,999英ポンド(約53万円)出資することで「Babel Bike」を一台入手できる。キャンペーン終了後の市販価格は3,648英ポンド(約64万4,000円)となる。残念ながら日本への出荷は予定されていないが、A-Bike のときのように、日本国内の代理店が輸入販売してくれることを期待したい。