去る3月中旬。東海道新幹線の荷台を衝撃が走った。いや、走ったのはハムスターである。どこからか逃げ出したかわいい小動物は、荷台をちょこまかと動き回って、多くの乗客に困惑と笑いを引き起こした。

ハムさん、なぜそこに(Twitterユーザーの厚意により許諾を得て転載)
ハムさん、なぜそこに(Twitterユーザーの厚意により許諾を得て転載)

事件が起きたのは、20時50分東京発の東海道新幹線。たまたまスマートフォンを手にしていたユーザーが写真を撮影し、Twitter に投稿したことで、この話題は一気に広まった。


しばらく騒ぎになったが、車内アナウンスがハムスターを保護したと伝えると事態は沈静化。列車は無事目的地へ着いた。

さて、大きな問題が起きずよかったが、あなたが飼い主、あるいはほかの乗客だったら、どうふるまえばいいだろうか。

JR 東海では、ペットとの同乗について次のように定めている。まず一緒に乗っていいのは小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物。体が小さくても猛獣やへびの類は除く。

また駅や車内ではケースから出してはいけない。ケースは長さ 70cm 以内で、縦、横、高さの合計が 90cm 程度まで。ケースとペットを合わせた重さが 10kg 以内でなければならない。抱いたままやバッグに入れた状態もだめ。ケースもほかの乗客に危険が及ぶような形状は不可だ。

さらに「手回り品料金」がかかり、費用は1個につき280円。乗車になる駅の改札口などで荷物を見せ、「普通手回り品きっぷ」を買う必要がある。

とはいえ、どこまで厳重にしても、事故は起きるもの。例えばペットがケースから逃げ出してしまった場合はどうすべきか。JR 東海に緊急時の対処法を尋ねた。

同社では「まず小動物はケースに入れて飼い主の方がご自身で管理することが重要です」としたうえで、万が一逃げ出した場合は「あくまでケースバイケースですが、常識的には車掌に連絡して保護を依頼するのがよいでしょう。飼い主以外の方が小動物を見かけた場合も同様です」。という訳でまず何はなくとも車掌へ連絡をして欲しいとの回答だった。

キャリーケースが基本、万が一逃げ出したら車掌さんに連絡
キャリーケースが基本、万が一逃げ出したら車掌さんに連絡

先日の青春18きっぷがシカに食べられてしまった話と同じく、マニュアルにない奇妙なトラブルにも鉄道会社の職員はすぐ判断して対処する。沢山の人が利用する列車や駅は思わぬ珍事が起きやすいとはいえ、臨機応変ぶりにはつくづく感心させられる。