自転車のユースケースが多様化することで、自転車の形も多様化。自転車が“乗り物”であるという概念から少しだけ外れたデザインを持つ自転車も登場しつつあります。
ポルトガルのビアナドカステロ工科大学の修士課程の学生が開発した「RAIOOO」もそんな自転車の一つ。木をふんだんに使って作られたその外観は、移動の道具というより、家具のような存在感を持っています。
都市生活者向けのトライク「RAIOOO」
「RAIOOO」は、都市生活者向けのトライク。リアには木製の大きなバスケットが備えられており、1週間分の日用品を載せられます。通常、自転車用バスケット(カゴ)の設計には、多少なりとも空力特性が考慮されるもの。空気抵抗を減らすのはもちろん、風切り音が少なくなるようにデザインされるものです。でも、このバスケットは空力特性とは無縁。デザインの美しさを優先させています。このあたりが、「RAIOOO」を“家具”らしく見せている要因なのかしれません。
デザインだけが取り柄なんです
フレームも木製。その形状は、一般的な自転車のフレーム開発者であれば「軽量化という言葉を知らないのか?」と突っ込みたくなりそうなもの。でも確かに美しいものでもあります。この一見無駄に大きいとも見える木製フレームは、バッテリーを隠す役割も持っています。
木製のハンドルバーに装着されているのは、カゴではなくて革製のバッグ2つ。使い勝手はわかりませんが、2つあわせると帽子のようにも見えるデザインはなかなか秀逸です。
実用性より、デザインが重視されています
さて、この「RAIOOO」。リアバスケットは巨大で、フレームは重く、空力特性が考慮されていないとなれば、少し前であれば実用化は無理だったでしょう。
でも、電動アシスト機能が進化を遂げたおかげで、多少車両が重くても、風の抵抗が大きくても、モーターの力で走れてしまうようになってしまいました。電動アシスト機能は、自転車の世界を変えつつあります。
電動アシスト機能が付属しないなら乗りたくないかも
“木の家具は100年使える”と言われます。木を使った家具のような自転車も、100年使えるようなものになるとよいですね。
絶対に買うのですが……