プロ棋士が、本物のクルマを将棋の駒に見立てて戦う「リアル車将棋」。聞いた耳を疑うような企画を、トヨタグループは本気で実現するつもりらしい。ドワンゴと共同で、2月8日、西武ドームを借り切って羽生善治名人対豊島将之七段の対局を行う。


2014年にドワンゴとトヨタマーケティングジャパンがこの構想を打ち出した際、正直なところ本気なのかどうか判断がつきかねた人も多いのではないだろうか。だが両社は着々と準備を整えているようで、すでに駒代わりに使う車種の選定も済ませたという。


西武ドームの場内に再現した巨大な将棋盤の上で、羽生名人が「過去の名車」、豊島七段が「現行車」を駒として対局する。

今回は羽生名人の駒が明らかになった。

玉将は「トヨペット クラウン」
飛車は「カローラレビン」(AE86)
角行は「ランドクルーザー」(40系)
金将は「プリウス」(初代)
銀将は「アルテッツァ」
桂馬は「bB」(初代)
香車は「MR-S」
歩兵は「Vitz」(初代)

角行「ランドクルーザー」(40系)
角行「ランドクルーザー」(40系)

飛車「カローラレビン」(AE86)
飛車「カローラレビン」(AE86)

なお、豊島七段の駒となる現行車は当日発表となる。

今回のイベントでは、両陣営の駒となるクルマを自由自在に動かすため、7人体制の精鋭チームを編制する計画だ。ドライバー5人と、速やかに移動できるように指揮を執る監督1人、そして確実な駒運びをサポートする棋士1人で構成する。

羽生陣営は監督、ドライバーに早稲田大学自動車部チーム、サポート棋士に長岡裕也五段が就く。一方、豊島陣営は監督、ドライバーにトヨタ自動車精鋭テストドライバーチーム、サポート棋士に船江恒平五段が就く。

対局の持ち時間には、クルマの移動時間も含むため、いかに効率よくチームが機能するかも重要になりそうだ。

また対局の先手、後手を決める「振り駒」は、元ヤクルトスワローズの古田敦也氏が担当する。球場という舞台にふさわしく、また将棋アマチュア三段の腕前を持ち、元トヨタ自動車社員でもあることから起用するそう。

イベントの模様はドワンゴが運営する「ニコニコ生放送」で生中継する予定。