クルマで走行中の動画や音声を記録し、万が一の事故発生時に備えるドライブレコーダ。2014年度の販売台数は8年前と比べると50倍以上に増え、売れ筋の価格帯は4分の1近くに低下している。こんなデータを、カー用品店最大手のオートバックスセブンが公開した。

オートバックスにおけるドライブレコーダの販売台数と価格の推移
オートバックスにおけるドライブレコーダの販売台数と価格の推移

ドライブレコーダの歴史を振り返ると、日本における最初の市販向け試作機は2000年に開発。2003年に正式な市販品が登場した。


日本交通事故鑑識研究所が開発した試作機(左)と初の市販品(右)
日本交通事故鑑識研究所が開発した試作機(左)と初の市販品(右)

オートバックスは2005年末からドライブレコーダの取り扱いを開始。当初はタクシーや運送業者など業務用車両の法人需要が中心で、2006年度の年間販売台数は約2,500台とわずかだった。平均単価が約4万5,000円と高かったせいもあるが、一番の要因は知名度の低さだったとか。

同社によると、ドライブレコーダに関する問い合わせが増えはじめたのは、その記録映像がテレビの報道番組などで放映されてから。特に2012年4月の京都・祇園での暴走事故を記録したタクシーのドライブレコーダ映像は、事故の瞬間を生々しくとらえたものとして、繰り返しニュースになり、その存在が一般の人に認知されるきっかけになった。

また2013年にロシアで隕石が落下した瞬間を偶然にとらえたドライブレコーダの映像も、ニュースとして世界中に広がった。

価格低下も後押しした。2014年現在、オートバックスで取り扱うドライブレコーダの売れ筋価格帯は1万2,000円前後。販売台数は2013年度には8万9,000台へと拡大した。高画質化が進むなど性能も向上し、走行時の映像をテレビや PC などで楽しむなど新たな用途が広がったことも影響している。

2014年度の販売台数は4月~11月の8か月で7万8,000台。通期では13万台超えを見込むそう。

オートバックスは最近の売れ筋の製品の動向についても説明している。ドライブレコーダは急速に進化し、その種類は豊富になっている。大きく分けてもフロントガラスから吊り下げる「ワンボディ型」、カメラをミラー裏、本体をコンソールボックスなどに置く「セパレート型」、ルームミラーの上から装着する「ミラー一体型」、それにカメラ2台を車両の前後などに設置する「2カメラ型」がある。

最も人気があるのはスタンダードなワンボディ型。売れ筋製品の特徴としては、 取り付けが容易で前方の視界を妨げないタイプに注目が集まっている。性能面ではフル HD 解像度で撮影ができるカメラ、それに衝撃を検知して自動で動画を記録、安全に保存できる「G センサ」の搭載が重視されている。さらにメーカーとしてはエフ・アール・シー、ユピテル、コムテックなどの製品がよく買われているそうだ。

オートバックスで9~11月に最も売れたのはエフ・アール・シーの「FT-DR MEGA」
オートバックスで9~11月に最も売れたのはエフ・アール・シーの「FT-DR MEGA」

9~11月の売れ筋製品
9~11月の売れ筋製品