燃料電池を搭載した研究車両、フォルクスワーゲン「ゴルフ ハイモーション」がロサンゼルスモーターショーで公開された。


燃料電池は、水素と酸素を化学反応させることで発電し、水を排出する。この「燃焼を行なわない」プロセスにより、電気モーターを駆動するエネルギーが生成され、ゼロエミッションによる走行を可能にする。


燃料電池を搭載した「ゴルフ ハイモーション」は、0-100km/h を10秒で加速する。燃料となる水素は、カーボンファイバー製のタンクに貯蔵されており、水素の充填は3分で完了。走行可能距離は約500km に達する。


競合メーカーが燃料電池を搭載した専用車種を開発する中、フォルクスワーゲンは、既存の量産モデルに燃料電池を含む代替駆動パワートレインを採用する戦略を推進している。現在、同社では「パサート」をベースに、「ゴルフ ハイモーション」と同じ駆動コンポーネントを用いた研究車両「パサート ハイモーション」を何台か製作しており、米国カリフォルニア州の公道でテストを実施しているという。

フォルクスワーゲンは燃料電池車の販売開始のタイミングについては、研究開発をすべて完了し、一般の消費者が購入可能な価格帯となること、そして何よりも水素インフラの整備が必須だと述べている。それには、水素燃料ステーションの広範囲なネットワークの構築だけでなく、水素そのものの生産も課題になるとしている。