「Piston Pedal Power(ピストンペダルパワー)」は、動力に電気ではなく圧縮空気を使用するアシスト自転車。米国在住の Alex Baldwin さんが開発した。


欧米では自転車人気が高まるに伴い、電動アシスト自転車の人気も高まっている。 Baldwin さんによれば、米国の2013年の電動アシスト自転車の販売台数は2012年から倍増し、15万9,000台に達したという。欧州では、自転車のほぼ10台に1台は電動アシスト自転車となっているそうだ。


だが、電動アシスト自転車は価格が高い。また、車体が重いため、アシスト機能を常にオンにしておかなければならない。重いので、電動アシスト自転車をかついで階段を上るのは困難だ。

「Piston Pedal Power」は、これらの問題の解決を目指すアシスト自転車。動力には、米国で生まれたスポーツ「ペイントボール」で使用される圧縮空気タンクが使用される。このタンク一本で、連続20分のアシストが可能だ。

圧縮空気を利用した銃でペイント弾を打ち合うスポーツ「ペイントボール」  銃の下部に取り付けられているのが圧縮空気タンク
圧縮空気を利用した銃でペイント弾を打ち合うスポーツ「ペイントボール」
銃の下部に取り付けられているのが圧縮空気タンク

アシスト時間が20分というのは、短いと感じる人も多いだろう。だが、Baldwin さんによれば、圧縮空気タンクの重さは600グラム弱と、電動アシスト自転車に搭載されるバッテリーよりも軽量。アシストが必要な走行シーンはわずかであり、20分であっても十分に機能するという。

圧縮空気タンクの重さはバッテリーよりも軽量
圧縮空気タンクの重さはバッテリーよりも軽量

圧縮空気タンクから放出される空気は蒸気機関(レシプロ機関型)に似た独自の動力システムに送られ、ピストンを往復運動をさせて自転車の走行をアシストする。このシステムの重量も、電動アシスト自転車のモーターより軽量だと、Baldwin さんは述べている。

圧縮空気がピストンを往復運動をさせ、走行をアシストする
圧縮空気がピストンを往復運動をさせ、走行をアシストする

Baldwin さんは「Piston Pedal Power」の実用化に向けて、kickstarter で出資者を募集している。3,400ドル出資すると、ハンドビルドの「Piston Pedal Power」の初号機(6台限定)を入手できる。また、Baldwin さんは調達した資金をもとに、「Piston Pedal Power」を商品化する自転車メーカーを探すとしている。