デザイナーの Valentin Vodev さんと Valerie Wolff さんは、都市生活者のための折り畳み自転車「VELLO Bike」を開発した。現在、クラウドファンディングサイト kickstarter で出資者を募集中。資金調達に成功した場合、2015年3月頃の出荷開始を予定している。


都市生活者は自転車の駐輪場所で苦労することが多い。そのような際に便利なのが折り畳み自転車だ。だが、現在市販されている自転車の折り畳みには時間がかかるため、使わなくなってしまう人も多い。


「VELLO Bike」は、折り畳み機構にマグネットを使用した自転車。この画期的なアイディアにより、自転車の折り畳みを劇的に簡単にした。この機構を使えば、自転車のスタンドを立てるときと同じように、リアハブをひと蹴りするだけで簡単に自転車を折り畳める。

「VELLO Bike」の折り畳み機構  黒い部分がマグネット
「VELLO Bike」の折り畳み機構
黒い部分がマグネット

リアハブをひと蹴りすればマグネットが外れ、折り畳める
リアハブをひと蹴りすればマグネットが外れ、折り畳める

折り畳み自転車には、折り畳んだ後の持ち運びが大変なものも多い。だが「VELLO Bike」は、折り畳んだ状態でも簡単に持ち運べる設計になっている。

「VELLO Bike」は、折り畳んだ状態でも持ち運びが容易
「VELLO Bike」は、折り畳んだ状態でも持ち運びが容易

「VELLO Bike」のタイヤ径は20インチと小径。だが、ギヤ比に配慮することで、26インチまたは28インチサイズタイヤの自転車と同等の走行性能を維持したと、開発者は主張している。

20インチでも、26~28インチ車なみの走行性能を発揮
20インチでも、26~28インチ車なみの走行性能を発揮

「VELLO Bike」には、利用者のライフスタイルにあわせた3つのモデルが用意される。1つ目は、標準モデルの「Vello Urbano」。これは日本のママチャリに近いコンセプトを持つモデルだ。アップライトでリラックスした乗車ポジションを取れるようシート位置が設定されている。変速機には8段変速のものを搭載。信号待ちや坂の多い都市部の走行に合わせて、漕ぎだしが軽く感じられるようギア比が設定されている。雨の日の走行に備えて、泥よけも装備。また、買い物などに利用しやすいよう、フロントキャリアが装着された。

標準モデルの「Vello Urbano」
標準モデルの「Vello Urbano」

“ママチャリ”のような使い方ができる
“ママチャリ”のような使い方ができる

フロントキャリア付き
フロントキャリア付き

「VELLO Speedster」は、ロードバイクライクな自転車。通勤などで長距離を移動する人に向けたモデルだ。泥よけを取り外すなど軽量化がはかられた他、ハンドルにはドロップハンドルが装着され、シート位置は前傾のライディングポジションが取れるよう設定されている。その他、細く高圧なタイヤや10段変速など、ロードバイクで使われるパーツが多く採用された。

「VELLO Speedster」は、ロードバイクライクな自転車
「VELLO Speedster」は、ロードバイクライクな自転車

前傾のライディングポジションが取れる
前傾のライディングポジションが取れる

泥よけなどはなく、軽量化されている
泥よけなどはなく、軽量化されている

「VELLO ROCKY」には、MTB ライクなモデル。マウンテンバイクで使用されるパーツが多く採用されている。ハンドルバーにはフラットなものが取り付けられ、ハンドルグリップはしっかりと握れるものが装着された。10段変速可能な変速機が搭載されており、ギヤ比は、きつめの坂でも登坂しやすい設定がなされている。

「VELLO ROCKY」は、MTB ライクなモデル
「VELLO ROCKY」は、MTB ライクなモデル

ハンドルバーはフラット
ハンドルバーはフラット

タイヤはやや太め  ちょっとした段差であれば、乗り越え可能だ
タイヤはやや太め
ちょっとした段差であれば、乗り越え可能だ

価格は標準モデルの Vello Urbano が890ドル、マウンテンバイク風の Vello Rocky が1,190ドル。ロードバイク風の Vello Speedster が1,500ドル。出荷は、2015年3月頃になる予定。残念だが、欧州以外での販売予定はないとのことだ。