オーストリア ウィーンで「Vodev Studio」を運営するデザイナーの Valentin Vodev さんは、 スケートボード付きのベビーカー「Roller Buggy」のプロトタイプを発表しました。


「Roller Buggy」は、ベビーカーでの移動を高速にするスケートボード付きの製品。赤ちゃんがいても、アクティブにスポーツをしたいという人のために開発されたものです。


スケートボード付きのベビーカー「Roller Buggy」
スケートボード付きのベビーカー「Roller Buggy」

「Roller Buggy」では、最高時速15キロでの走行が可能。高速走行をしていても子どもを危険にさらさないよう、強力な油圧式ディスクブレーキが装備されています。また、急ブレーキをかけたときに子どもが前方にとびだすのを防ぐため、通常よりもサイズの大きなシートベルトも取り付けられました。

油圧式ディスクブレーキ装備  シートベルトも完備しています
油圧式ディスクブレーキ装備
シートベルトも完備しています

「Roller Buggy」は、第11回国際自転車デザインコンペティションで、3位入賞を果たしています。2010年にプロトタイプが公表されたときには、多くのメディアによって取り上げられました。

でも、「Roller Buggy」が製品化されることはありませんでした。

日本人的には製品化されなかった理由を、「危険過ぎると判断されたのでは?」と想像してしまいそう。もちろんそういう意見もあったようですが、それだけではなかったようです。

米国でジョギングロードを走っていると、ベビーカーを押しながら、ローラースケートで走行している人を多く目にします。それもかなりの速度で。そう、子どもがいてもアクティブにスポーツをしたいと考える人たちは、すでにローラースケートを楽しんでいたのです。それもかなり本格的に。このため、スポーツ器具としてはちょっと中途半端な「Roller Buggy」は敬遠されたようです。

ベビーカーを押しながらローラースケートを楽しむ女性  (画像出典:walkingmama.net)
ベビーカーを押しながらローラースケートを楽しむ女性
(画像出典:walkingmama.net)

もう一つの理由は選択肢。米国人は、自分でチョイスするのが大好きな人たちです。ローラースケート+ベビーカーの組み合わせであれば、スケートもベビーカーも好みのものを選択できます。でも、「Roller Buggy」では選択の余地がありません。これも、「Roller Buggy」が米国人に受けなかった理由の1つだそうです。

プロトタイプとはいえ、デザインはいまいち?
プロトタイプとはいえ、デザインはいまいち?

ベビーカーを押してまでスポーツしたいって、どうなんだろう?と、日本人としては思ってしまいますよね。でも、ローラースケート+ベビーカーを楽しんでいる米国人に言わせると、親が楽しいと感じていれば、子どもも同じように感じるものなのだとか。本当かどうかはわかりませんが、日本にはない発想だなとちょっとだけ感心しました。