「Occam Cycle」は、電車の駅やバス停などから最終目的地までの「ラストマイル」向けに設計された折り畳み自転車。折り畳みに必要な時間と手間を極限まで減らすことを目指している。折り畳みにかかる時間はわずか5秒。このため、利用者は「Occam Cycle」を素早く折り畳んで電車やバスに乗車し、降車後すぐに元の状態に戻して走行し始めることが可能だ。
「Occam Cycle」が折り畳み機構を簡略化できた秘密は、サドルを取り払ったこと。これにより、“ヘッドチューブを倒すだけ”、というシンプルな折り畳み方式を実現した。通常であればヘッドチューブを後方に倒すとサドルやシートポストにぶつかってしまう。だがサドルが無い「Occam Cycle」では、サドルとヘッドチューブの衝突を避ける機構が不要となった。
サドルを取り払ったことは、車体の軽量化にも大きく貢献した。「Occam Cycle」の重量はわずか9キロ。この重量であれば、折り畳んだ状態での持ち運びも簡単だ。電車やバスへの持ち込みも、より気軽にできるようになる。
階段などの昇降も楽にこなせる
ただし、サドルを取り払ったことで、「Occam Cycle」は利用者に常に“立ち漕ぎ”を強いることになった。立ち漕ぎで走行できる時間は15分程度が限界。長距離の移動は困難だ。「Occam Cycle」は、ラストマイルの移動のためだけに設計された、特殊目的の乗り物と言えるだろう。
価格は325ドル(約3万4,084円)を予定。現時点では、米国以外での販売は検討していないということだ。